2017/05/14

映画「無限の住人」

 多分25年ぶりに一人で映画を見てきた。去年は娘と「聲の形」を見たが、それとて数年ぶりのこと。子どもは成長してしまえば友だちといったりそれこそ一人で行ったり…。

 タイトルは「無限の住人」。先日19年の連載を終えた"ネオ時代劇"、「るろうに剣心」が好評だったからこれも実写化の話が出るだろうな、とは思ってはいたが、ちょっとスプラッタ側に寄りすぎている部分がネックになってお流れ、なんてことになるんじゃないかと余計な心配をしていた。それがなんと主演"木村拓哉"他豪華キャストでスタートするという。人類の9割ほどが仕上がりの心配をしたんじゃないだろうか。

 果たして結果は。まず良かった点。ネタバレが嫌な人は見ないでね。

  1. 万次の狂気がよく表現されていた。特に目を剥く場面や見得を切る場面で迫力を感じた。これは単純に木村拓哉の演技力によるものと思われる。浮いた感じや力不足な演技は一切なかった。だいぶ見直した。
  2. ストーリーは良かった。長編を映画にまとめるときにどうしても切らないといけないエピソードやキャラクターが出てくるが、ぎりぎりなんとか取捨選択できた、という感じか。物足りなさはあるが、恐らく最近流行りの二部構成、三部構成を嫌ってのことと思われ、割り切りの良さを評価すべきであろう。
  3. 凛が良かった。どこかの評論で見たが、年齢的にギリギリだったとの意見に賛成。あれ以上でも以下でもおかしな色気がでたり幼女物語になったりしたろう。
  4. 槇絵の扱い。完全にただの戦力として描写している。徹底していて良い。
  5. 閑馬永空、というか市川海老蔵。存在感で言えば今作でダントツ、主役でないのが惜しいくらい。表情一つで寒気を覚えた。やっぱり違う。
  6. 花田がちょっとがんばったのが微笑ましかった。やられ方は不満。
次いでイマイチな点。不満というか。

  1. 無骸流いらなかったのでは。尸良がただのチンピラで、この人おかしいんじゃないかと思った場面が皆無だった。弱いし。百淋もただの説明役で栗山千明はもったいない。偽一に至っては何をしたのかも定かではない。幕府側は英がいれば良かった。
  2. 槇絵の扱い。異次元の強さを表現しなかったため、鉄砲にあっけなく倒れる場面は本当にあっけなかった。倒れると知っていてもびっくりするくらいの何かが欲しかった。作中最強なのに(本当の最強は辰)。
  3. 総じて登場人物それぞれの狂気が十分に表現できなかったように感じた。ここはもう少し頑張ってほしかったが、映画での表現や時間は限られるだろう。
  4. 原作を知るデメリットを十分に味わった。どうしても話の流れやセリフを「原作と違う」「原作はこうだった」と見てしまう。最初から色眼鏡をかけた状態で見てしまった。逆に映画で初めて「無限の住人」に触れた人は、登場人物の名前やポジションが全くわからなかったのではないか。それほど人物の人となりを描く場面が少なかったように感じた。
 とは言え、久しぶりの映画館でのひとり鑑賞は十分楽しかった。120人入りのホールに5人しかいなくて音が響くので、買っていったナチョスを味わえなかったことを除いて。

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